【角館樺細工伝承館】
Kakunodate Kabazaiku Handicraft Museum
仙北市角館。武家屋敷通りのほぼ中間地点。枝垂桜の巨木と塀に囲まれているひときわ大きな建物があります。
いかにも「武家屋敷」な和風の門をくぐった先には、赤煉瓦調の外壁、アーチが多用された西洋風建築が…!(筆者はアーチが大好物なので、アーチたくさん!と叫んでいました)
こちらの建物こそが、角館樺細工伝承館です。1978(昭和53)年に開館。設計は、秋田市出身の大江宏。大江さんは、平福記念美術館の設計も手掛けています。さて、そもそも「樺細工」というのは、桜の樹皮を利用して作られる木工工芸品で、角館を治めていた佐竹北家によって秋田県北部から伝えられたとされています。
この技法が武士の間で定着し、主として印籠が作られていたのだそうです。文化文政年間(1804~29)になると、樺細工が藩主のお土産品にも取り上げられ、角館の特産品として定着していきます。時代が明治に移ると町人にも広まりを見せ、昭和、平成、令和と現代に至るまで振興されてきました。樺細工伝承館は、館内で樺細工製作実演が行われるほか、工芸や文化、歴史資料の展示室や物産展示室、喫茶室で構成され、角館の文化観光拠点としての役割を担っています。参考資料:仙北市ホームページ、秋田魁新報「秋田大百科事典」
Photographer & Writer けゐ -Kei-